実家の父が現在入院中です。病名はパーキンソン病。
症状をざっくりと言うと、『体が思うように動かない』というもの。現在では、体を起こすこともひとりではできないようになり、言語にも障害が出ています。さらに、レビー小体病というアルツハイマーのような認知性も発症。いわゆる痴呆性疾患です。
2004年の夏にパーキンソン病と診断され、仕事(牛乳販売店)を辞め、通院しながら自宅で過ごしていました。動きに不自由はあるものの、杖を使って散歩をしたり、介助があれば日常生活は送れる程度だったのですが、昨年末から体調を崩して入院。この入院を機に、一気に症状が悪化してしまいました。
思い返せば、MASARUくんが生まれたとき・・・5年前は、初孫の誕生に大喜びで、元来、子供好きの父は、毎日のようにバイクでMASARUくんの様子を見に遊びに来てくれていました。MASARUくんをベビーカーに乗せて、嬉しそうに散歩をしたりすることもありました。
そんな父が、会話をすることも困難になり、病院のベッドで天井ばかり眺めています。
先日、こどもを連れて病院に行ったときのこと、調子の悪い日だったようで、こちらのことがほとんど理解できていませんでした。声をかけても、目だけを動かして、空気がもれるような声を出すだけ。MASARUくんもNAOちゃんも、家にいた頃のおじいちゃんの様子とあまりにも違うことに明らかに動揺した様子でした。
そんなとき、NAOちゃんと行った図書館で見つけた絵本『あたしのいもうとちゃん』。
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=1429
大好きだったおばあちゃんが痴呆になり、はじめはショックを受けていた主人公の女の子が、少しずつ理解して、おばあちゃんと仲良しになるというお話。女の子の両親が『人は歳をとると、だんだん子供にもどっていく』というように教えていました。
あまりに、今の状況と重なる内容だったので、NAOちゃんに読み聞かせながら涙が出てきました。
痴呆の父を受け入れることは、頭ではできていても、本当のところ目をそらしてしまいます。病院に行っても、そそくさと帰りたくなります。いろいろ話したくても、声をかけてあげられません。子供に教えるというより、私が教えられてしまう一冊でした。
そして、いろいろ考えて、MASARUくんに父のことを説明してみようと思いました。MASARUくんは父の孫のなかで、唯一、『牛乳屋さんの元気なおじいちゃん』を知っています。それだけに、今のおじいちゃんのことを伝えておきたいと思いました。
人は歳をとると、足が悪くなる人、目が悪くなる人、心臓が悪くなる人、どこかがいろいろ弱くなるけど、その中には脳みそが弱くなる人もいるということ。そういう人はJIROくんのような赤ちゃんみたいになって、数が分からなくなったり、言葉が分からなくなったり、いろんなことを忘れたりしてしまうということ・・・。
神妙に聞いていたMASARUくんは『もうその話やめようよ。泣きたくなるから。』と言いました。
そして、ひととおり説明した後に、おじいちゃんのことを話すと、『MASARUは知ってたよ。おじいちゃん、この間MASARUのこと分かってなかった。』と言いました。
子供は純粋なまっすぐな心でいる分、交わす言葉の内容よりも、表情や動作で相手のことを敏感に感じているようです。父のお見舞い行ったとき、父はほとんど声を出していないし、体が不自由なので、呆けたような素振りもしませんでした。それでもMASARUくんは、おじいちゃんが子供のようになっていることを感じたそうです。
最後に、おじいちゃんやおばあちゃん、人間はみんな歳をとると死んでしまうということも話しました。まだ、人の死を知らないMASARUくん。死ということを『お空に飛んでいって、もう会えなくなるよ』と説明しました。
そして後日談。
お風呂からあがって、NAOちゃんの体を拭いてあげているとき。NAOちゃんがベソをかいて、『おじいちゃんもおばあちゃんもみんなお空に飛んでいくの?』と聞きました。
MASARUくんに説明している最中は、鼻歌をうたって、話は聞いていなかった様子だったのに・・・しっかりと聞いて小さな胸を痛ませていたようです。
こどもたちにこんな話をするのは酷だと言う人もいるかもしれませんが、何も知らないまま父のお見舞いに連れていくのもかわいそうな気がしたのです。
そして、この内容をブログに書くべきか・・・いままでは意識して書かないようにしていましたが、子供の成長記録とともに、父の病気の記録も少しずつ残していきたいと思いました。